第36回は、「清六ノ辻大師堂横(せいろくのつじたいしどうよこ)窯跡」です。
所在地は有田町南原です。史跡には指定されていません。
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清六ノ辻大師堂横窯跡 |
清六ノ辻大師堂横窯跡は、1987年に有田町教育委員会が調査主体となり、発掘調査が行われています。その後、1988年に『小溝中窯・小溝下窯・清六ノ辻1号窯・清六ノ辻大師堂横窯』が有田町教育委員会より刊行されています。
発掘調査では、工場建設により著しく旧状が損なわれていたこともあり、窯本体は確認できませんでした。調査箇所からは、若干の焼土を確認できた箇所もありましたが、掘削わずかで地山に至る箇所もありました。
遺物は、陶器がやや多く、灰釉の碗・皿、鉄釉の碗、灰釉・鉄釉掛分けの皿が出土、磁器は、染付の碗・皿・鉢・瓶、青磁の瓶・香炉、辰砂の碗・皿が出土しています。窯道具は、ハマが円板形や逆台形、焼台はトチン状や輪形、ボシは粘土紐成形で、陶器皿には砂目積みが確認されています。出土した遺物等から、1610年代~1630年代の操業と推測されます。
清六ノ辻大師堂横窯跡の付近には、以前ご紹介した予定の清六ノ辻1号窯跡や清六ノ辻2号窯跡が所在しています。いずれも近くには説明陶板が建っていますが、消防署の裏や私有地、線路脇にあり、また、草木も生茂り、蛇や蜂、マダニも出てきますので、現地を訪れる場合は十分に気をつけてください。
なお、有田町教育委員会発行の発掘調査報告書については、有田町歴史民俗資料館において取り扱っておりますので、お問い合わせください。
(伊)R1.5.16