先週5月29日に、佐賀県博物館協会理事会・総会が佐賀県立美術館にて開催され、(永)が館長代理として出席してきました。佐賀県博物館協会とは、佐賀県内の博物館や美術館、ギャラリーなど公営・民間を問わず37団体が所属し、相互連携や情報の共有など協力を図っています。今回の総会では平成30年度の事業報告と令和元年度の事業計画の報告がありました。その後、佐賀県立博物館のテーマ展「忠吉と肥前刀」を担当学芸員の解説のもと、見学させていただきました。
「肥前刀」とは、近代(大正)に入って言われるようになった呼称なのですが、佐賀藩主鍋島家の御用刀工であった忠吉(忠広)とその一門が制作した刀剣のことで、一門は江戸時代を通じて100人を超える刀工を輩出し隆盛を極めたそうです。
昨今の「刀剣ブーム」のためか、今回のテーマ展示は40代以下の来場者が非常に多いそうで、うらやましい限りです。初代忠吉から歴代の忠吉(忠広)と一門の作品のほか、佐賀ゆかりの名刀や鍔なども紹介されています。
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初代 忠吉の製品 |
ある一振りの刀剣は銘の中に「弐ツ胴」と刻まれており、これは人二人分の胴を切ったという証明で、死体を使用した試し切りを行ったということなのですが、戦がない時代の刀なのに、間違いなく人の血を吸った刀剣なのだなと思うとなかなか来るものがありました。残念ながらこの刀剣の写真は撮ったんですがピンボケしていました。
写真ではなかなか刀剣の良さをご紹介することは難しいので、ぜひ行って見てください。期間中刀剣の入れ替えがあっていますが、なんと!昨日6月4日から!あの江藤新平の刀が展示されているそうですので、一度ご覧になった方も楽しめると思います。
その後、近くにある佐賀大学美術館に行き、特別展「佐賀の近代日本画」を拝見させていただきました。以前ブログでご紹介しましたが、この特別展には当館所蔵の「祈之図人物画」を貸し出しています。綺麗に展示してくださって大変ありがたく思います。企画展の図録も販売されていました(¥1000)ので、手に取られてはいかがでしょうか。(永)R1.6.5
会期は下記のとおりです
「忠吉と肥前刀」
会期:2019年4月12日~7月15日 ※月曜休館(祝日の際は翌火曜休館)
時間:9時30分~18時
会場:佐賀県立博物館3号展示室
料金:無料
「佐賀の近代日本画」
会期:2019年5月1日~6月23日 ※月曜休館(祝日の際は翌火曜休館)
時間:10時00分~17時00分(入館は16時30分まで)
会場:佐賀大学美術館
料金:無料