先週の6月20日に有田町で開催された会議についてです。
佐賀県には陶器や磁器の窯跡が約300以上あります。有田町は確認できている窯跡の数だけでも66か所あり、そのうち国の史跡は、肥前磁器窯跡(天狗谷窯跡・山辺田窯跡・原明窯跡)や柿右衛門窯跡の4か所、県の史跡が、小樽2号窯跡の1か所、そして町の史跡が、稗古場窯跡・天神山窯跡・掛の谷窯跡・迎原窯跡の4か所あります。その他の57か所の窯跡については指定はされていませんが、周知の埋蔵文化財包蔵地という場所になっています。他の市町でも窯跡を多く保有しており、唐津市や伊万里市、武雄市に嬉野市とあります。
今回行われた会議は、平成27年度から行政及び警察の関係機関と連携し、窯跡の現状や盗掘対策について情報共有を図るため、伊万里市、武雄市、唐津市で開催してきましたが、今回は有田町で第5回目となりました。
今回の会議では、有田町における盗掘被害とその現状についてお話ししましたので、写真や情報については、過去に有田町歴史民俗資料館のお知らせや、トップ画面にも出していましたが、そのことについてご紹介します。有田町内の窯跡はこれまでも度々、窯跡の盗掘被害にあっていて、以下の写真は特に被害が大きかった小物成窯跡、原明窯跡、山小屋窯跡です。
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小物成窯跡被害状況 |
窯跡と物原があった場所で、段上になっていた石垣を破壊して盗掘被害にあった場所です。 |
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原明窯跡被害状況 |
有刺鉄線と警告看板を設置した斜面をあえて盗掘していました。 |
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山小屋窯跡 |
平成30年に被害にあった窯跡で、民家裏の斜面を掘り返しており、民家への被害が懸念されます。 |
再三申し上げているように、これは文化財保護法に違反する犯罪だけでなく、有田焼の歴史、そして国民全体の宝をないがしろにする行為です。今後繰り返すことは絶対にやめてください。
(伊)R1.6.27