ひと月ほど前、町の社会福祉協議会と老人クラブより一件の依頼がありました。高齢者の方々に対する講座に、当館が収集した古写真を使用できないか、ということでした。

現在有田町歴史民俗資料館が所有・複写した古写真のうち、約8000枚は画像データとして活用しています。主に平成10年企画展「なつかしの有田」、平成26年の企画展「なつかしの有田PartII」の際に収集されたものです。基本的に複写した写真はご本人にお返しし、複製データを資料館が所有させていただいています。

これらの古写真は、いままでも企画展や資料館のトピック展示で使用したり、女性フェスタや町民の方のイベントの際に貸し出したり、新聞やTVなどのメディアにて有田のことを紹介するのに使用したりと、さまざまに活用しています。私のブログの「今日、なにがあった？」シリーズにも使用しています。

今回、社会福祉協議会と老人クラブより要望があって、200枚程度の古写真のデータを抽出することになりました。…ですが、これがとても難しい！！

今まで古写真の使用はある程度のターゲット層や用途、例えば古い鉄道の写真だとか、陶器市の写真だとか、古い石場の写真だとか、ある程度は絞って選別することが可能でした。

しかし今回は、高齢者の方みなさんが対象ということで、生まれ育った地区もバラバラ、興味がある内容もおそらくバラバラで、いったい何を基準に選んだらよいのか、ほとほと困ってしまいました。一応、「明治大正」「昭和初期」「昭和中期」・・・・と時代順に選別してみましたが、はたして気に入ってもらえるでしょうか？楽しんでいただけるとよいのですが。

それでも、古写真の新しい活用方法として、古い写真を見て昔を懐かしみ、あるいは鮮明に思い出すことで、認知症などの予防に役立つのかな、と思います。さらに古写真に写っている事柄について、高齢者の方の記憶を、当館が記録させていただくことで、さらに館蔵資料の増強になるのでは、と一石二鳥を狙っています。さらにさらに、「うちにもこんな写真があるよ」という皆さま、ぜひ複写をさせてください。現在有田町西地区の写真が不足しています。ぜひご一報ください。例えば、もうなくなった夫婦石駅の風景写真や昔の棚田の風景などお気軽にご連絡ください。(永)R1.7.10