前回は、江戸の遺跡の出土状況なんかを見ると、やっぱお殿さまとか上級武士なんかが使ったようなもんは、最高級品の南川原山や高級量産品の内山なんかの製品が主体って話をしてました。
ただし、「すごいお金持ちなんで、内山の量産品なんて使いたくない。南川原山ブランドの高級品ばかりで一とおり揃えたいわけよ。」みたいな贅沢なことを宣まっても、残念ながらそれはムリなんだな~。だって、窯がウジャウジャある内山と違って、南川原山じゃそんなにいろんな器種は作ってないので…。まあ、最終手段として、たとえば柿右衛門さんちとかに、全部特注でもすれば、できないことはないかもしれないですけどね。でも、きっといくらお金持ちでも、すごい代金請求されると思いますよ。それに、ササッと作る量産品じゃないので、そんなにたくさん注文なんぞした日には、いったいいつになったら全部揃うことやら…。やっぱ、あんまり現実的ではないかも。
じゃー、しつこいですが、別に柿右衛門さんちだけに注文しなくても、南川原山のほかの窯焼きでもいいじゃんって考えるでしょ。ところが、そんなにうまくいかないんだな~これが…。だって、前回お話ししたような気がしますが、南川原山でも製品ランク別生産が確立した頃だと、本当にバリバリ上質な製品作ってるのは、ほぼ柿右衛門窯跡に限られ、しかも、ほとんど中・小皿に限られるわけですよ。なので、柿右衛門窯跡に焼成室を持ってる別の窯焼きにも頼めば、柿右衛門さんち一軒に頼むよりは早いかもしれませんが、それでもできあがるまでは相当じれると思いますよ。
そもそも、小皿作るのも、大型の壺作るのも同じ土ってわけにはいきませんしね。たぶん、そんな土使ったことないので、できるかな~?ってとりあえず断られるのでは??つーか、大型の壺の土で、小皿や中皿並の質にするってのは、そう簡単じゃないでしょうしね。
もちろん、南川原山でも皿ばっかじゃなくて、碗だとか、あまり大きくないものはちゃんと生産してますよ。でも、質的には内山にもそんくらいのもんはあるよねって程度か、それにチビッと毛の生えたくらいのもんが一般的なんで、それならわざわざ南川原山のもんにこだわる必要ないでしょ。
だいたい、南川原山と内山では、たしかにトータル的に質を比べたら多少差はありますが、製品のスタイル自体は大差ないので、シームレスに製品が繋がるんですよ。つまり、もともと両方セットで全部の種類の製品が揃うように、うまくできてるってこと。だから、大名さんだろうが何だろうが、金持ちとかも関係なく、両方混在しているってのが自然の姿ってことです。
ありゃ~、今日こそは下級武士さん突入って思ってたんですが、またまた大名さんで終わってしまいましたね。でも、書きはじめると、あれこれ妄想思いつくんだからしゃーないです。(村)