平成26年度から事業を開始した佐賀県重要文化財・有田異人館の修理事業が一応完了したので、先週土曜日からその全容を見ていただくお披露目会が開催されています。11月6日（日曜日）までの予定で、開館時間は10時から16時までです。

建物内部では、今、注目のフラワーアーティストであるニコライ・バーグマン氏監修のお花（果実？）を14代今泉今右衛門会長以下23人の有田陶芸協会会員の作品にいけた「花と陶芸のコラボ展」も同時開催で、文字通り花を添えていただいています。初日は200人以上の皆様にお越しいただきました。中には夏休みに実施した異人館の模型作り教室に参加してくれた中部小学校の男児がお母さんと一緒に来てくれました。

初日は文化財課主催で午前中に設計監理者の松尾さんを中心に現地説明会を開催し、午後は会場を近くの白川公民館に移して監修者の伊東熊本大学教授に基調講演をお願いし、その後、修理活用検討委員の工藤先生や松尾さんらとの座談会を開催しました。

修理事業を進める中、痕跡調査の過程で判明したのですが壁や天井部には旧所蔵者の田代家の家紋などを梳き込んだ和紙を使っていたことがわかり、佐賀県産品の名尾和紙を使用して再生。また、昭和の時代に増築された部分を取り除き、2階のベランダに当初はあったと思われる円柱を再現するなど、明治9年の建設当時の姿に戻す作業が行われました。

深川製磁の屋上から見た異人館	現地説明会開催
山口文彦さんの作品とお花	壁と天井の和紙

（尾）も事業開始から昨年度までは文化財課職員として関わってきましたが、それ以上に予算との兼ね合い、県や工事関係者との調整やご指導いただいた委員の皆様の意見を聞きながら3年間にわたる事業を滞りなく進めることができたのはナンと言っても担当者である（池）の奮闘があったからこそだと思います。

このお披露目会が終わると、一旦クローズして来年4月から本格的に一般公開を行う予定ですが、それまでに敷地の隣に以前あった蔵を再現してトイレ等の便益施設を設けるため新たな工事が始まります。それと併行して本体の展示内容、活用計画をたてていくことになります。

今後、この文化財である異人館を有田町内外の方々に利用していただくことで、さらに有田の魅力を際立たせることができるものと思っています。乞うご期待！（尾）H28.11.1