熱中症とは
熱中症とは体温を平熱に保つために汗をかき、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)の減少や血液の流れが滞るなどして、体温が上昇して重要な臓器が高温にさらされたりすることにより発症する障害の総称です。高温環境下に長期間いたとき、あるいはいた後の体調不良はすべて熱中症の可能性があります。一人ひとりが熱中症に気をつけて、暑さを乗り切りましょう。
・死に至る可能性がある病態です。
・予防法を知って、それを実践することで、防ぐことができます。
・応急処置を知っていれば、重症化を回避し後遺症を軽減できます。
日常生活における熱中症の注意事項
WBGT(暑さ指数)と注意事項 WBGT
| 注意すべき 生活活動の目安 | 日常生活における注意事項 | 熱中症予防運動指針 |
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31以上 | すべての生活活動でおこる危険性 | 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。 外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 | 運動は原則中止 特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合は中止するべき。 |
28~30 | すべての生活活動でおこる危険性 | 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 | 厳重警戒 激しい運動や持久走は避ける。積極的に休息を取り、水分塩分補給。体力のない者、暑さになれていない者は運動中止。
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25~17 | 中等度以上の生活活動でおこる危険性 | 運動や激しい作業をする際は定期的に充分休息を取り入れる。 | 警戒 積極的に休息をとり、水分塩分補給。激しい運動では、30分おきくらいに休息。 |
25未満 | 強い生活活動でおこる危険性 | 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 | 注意 死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意。運動の間合いに水分塩分補給。 |
※WBGT(暑さ指数)は、最高気温時の気温と湿度から推計される。
熱中症の症状
1度(軽症):めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむらがえり)
2度(中等度⇒医療機関へ):頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下
3度(重症⇒入院加療):意識障害、けいれん発作、肝機能障害、腎機能障害など
熱中症を疑ったときは何をするべきか
(1)涼しい環境への避難
風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内等に避難させましょう。ただし、重症など急を要する場合は、救護作業を優先しましょう。
(2)脱衣と冷却
衣服を緩め、うちわや扇風機で扇いだり(可能であれば皮膚を濡らして)氷やアイスパックなどで冷やしましょう。
(3)水分・塩分の補給
応答が明瞭で、意識がはっきりしているなら、冷やした水分を持たせて、自分で飲んでもらいます。冷たい飲み物は経口補水液やスポーツドリンク等が最適です。食塩水【水1ℓに1~2g(ティースプーン半分)の食塩】も有効です。
(4)医療機関へ運ぶ
自力で水分の摂取ができないときは、緊急で医療機関に搬送することが最優先の対処法です。