歳入面では、歳入総額は98億3,003万円で、前年度比5.2%減となりました。これは、地域活性化・きめ細かな臨時交付金や安心安全な学校づくり交付金、県合併市町村交付金など国庫および県支出金の減などによるものです。地方交付税は増えたものの、依然として一般財源の確保が厳しい状況にかわりありません。また、歳入全体に占める自主財源の割合は31.2%、依存財源は68.8%となりました。
次に、歳出総額は94億8,242万円で、前年度比5.2%減となりました。本村楠木原線・尾ノ上下迎原線道路改良事業や防災行政無線整備事業など大規模事業の完了年度ということも影響し、普通建設事業費は大幅に減少しました。一方、義務的経費は、人件費が議員共済組合負担金率の増などで増加、扶助費も子ども手当扶助費の増などで増加したものの、公債費は繰上償還( 2億8,000万円)および当該年度償還の減などにより減少し、義務的経費は構成比47.0%と歳出全体の約半分を占めています。その他経費では、物件費・補助費等の経常経費削減を職員一丸となり事務事業の見直しと併せ、積極的に取組み、事務の効率化を図ってまいりました。このような中でも、合併特例債などの合併支援を有効に活用し、道路改良事業や防災行政無線整備事業など、新町の一体性の確立のため、社会資本や生活環境の整備を進めてまいりました。
現在、国内経済は東日本大震災の影響もあり、依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつあります。しかしながら、電力供給の制約やデフレの影響などは懸念材料として残っています。この状況は、少なからず陶磁器産業等を基幹産業とする本町にも影響を及ぼしています。実質的な地方交付税の減少はないものの、税収や各種交付金の減など、町産業・財政を取り巻く環境は、厳しさを増してくることが予想されます。
今後は、少子高齢化による社会保障費が増加していくなか、国・地方を通じた歳出を抑制するため、聖域なく歳出を見直し、地方財政計画にも厳しい目が向けられています。地方としては、国が「歳入歳出一体改革」の名のもとに、国の財政再建のために地方交付税が抑制されることがないよう、地方六団体とともに国に強力に働きかけていかなければなりません。
このような潮流の中で、本町は平成19年度に策定した「行財政緊急プログラム」などを基本に、効率的な行政運営を推進し、真の地方分権の実現によるゆとりと豊かさを実感できる地域社会の構築に取り組んでまいります。