サガテレビ賞
花みなも ボートボウル
江頭 陶子
陶業時報社賞
ブックウェイト
原田 宮子
西日本新聞社賞
黒唐津七角ケーキ皿
葉村 久美 「いとは」
日刊工業新聞社賞
アイボリー飛び鉋(黒×白)組鉢
武村 博昭 利左ヱ門
日本経済新聞社賞
白い砂丘の泉
黒田 一楽
読売新聞社賞
白磁ひっかき技法蓋乗せカップ三種
名嶋 亮子
有田焼卸団地協同組合賞
MUSUBI スイーツボックス
しん窯 橋口 博之
佐賀県陶磁器卸商業協同組合賞
すべりにくいコップ
梶原 大敬
佐賀県陶磁器工業協同組合賞
箱ひな
あんあん堂
肥前陶磁器商工協同組合賞
鉄赤兜鉢
戸次 寅夫
技能賞
七宝繋紋菓子器
村上 邦彦
技能賞
白磁鳥煎茶碗
副島 健太郎
第110回 第2部産業陶磁器 審査員紹介 (敬称略・順不同)
- 深川 祐次 (佐賀県陶磁器工業協同組合理事)
- 大江 純正 (オオエックス社長)
- 花塚 久美子(小学館女性誌編集局チーフプロデューサー)
- 下川 一哉 (日経デザイン編集長)
- 田中 ゆかり(トップコーディネイツ)
第110回 第2部産業陶磁器 審査講評
第2部 審査長 下川 一哉
第110回九州山口陶磁展の審査に当たり、まず陶磁器の用途、技法、表現の幅広さを改めて痛感した。陶磁器の多様性は、産業としての成熟を明示するとともに、さまざまな生活文化の要請に応え、新たなライフスタイルの創造にも貢献しうることを示している。陶磁器のこうした可能性を明らかにし、陶磁器の未来を開くうえで、本コンペティションの存在意義は極めて大きい。
経済産業大臣賞に輝いた「エッグシェルシリーズKaori」は、審査員一同の賛成をもって選出された。卵の殻を思わせる外観は、自然な風合いで手触り良い。対して内側にはつややかな釉薬が施され、心地良い対比をなしている。内外で相対する質感を持つ器は高い透過性を持ち、つかんだ指や注いだ飲み物を、器を通して透かし見ることができる。ガラスほどあからさまにではなく、ほのかに透かし見る点が、磁器ならではの豊かさに繋がっている。この体験は実に新鮮だ。手に持って驚くのは、その薄さと軽さ。製作者の高い技能と感性の賜物である。薄さと軽さは透過性と相まって、器自体に幽玄な存在感をもたらす要因となっている。脚を省いたワイングラスのような形状は、お茶やコーヒー、酒など、注ぐものを選ばない。さまざまな生活文化に入り込み、磁器の魅力を多くの人々に伝えるに違いない。
これに対して、佐賀県知事賞を獲得した「染錦金銀彩ペンスタンド」は小型のキューブ形状で、手に持つと心地良い重量感を楽しめる。デスクに置いても安定感と安心感がある。精度の高い成形と細やかな草紋の絵付けによって凛としたたたずまいを得ており、テーブルウエア以外の暮らしの道具という陶磁器の可能性を改めて感じさせる提案と言える。 陶磁器は人類の長い歴史の中で愛され、時代を経て進化してきた。これからも技術やデザインは進化していくに違いない。本コペティションも、こうした陶磁器の進化のためのエンジンとして機能していくだろう。応募者は常に陶磁器の未来を見つめ、大胆な提案を試みてほしい。
第110回 第2部産業陶磁器 入賞者一覧
第110回 第2部産業陶磁器 県別出品数内訳
項目 | 山口 | 福岡 | 佐賀 | 長崎 | 熊本 | 大分 | 宮崎 | 鹿児島 | 沖縄 | 全国 | 合計 |
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出品者数 | 4 | 9 | 90 | 21 | 3 | 4 | 0 | 1 | 1 | 0 | 133 |
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(3) | (14) | (97) | (24) | (6) | (3) | (0) | (3) | (7) | (0) | (157) |
出品点数 | 6 | 10 | 126 | 29 | 5 | 6 | 0 | 1 | 1 | 0 | 184 |
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(5) | (16) | (136) | (32) | (8) | (5) | (0) | (4) | (7) | (0) | (213) |
( )内は前回分