有田マイセン姉妹都市提携20周年記念「有田とマイセンの風に舞う」事業
有田町とマイセン市の姉妹都市提携20年をむかえた1999年2月9日、有田ダム公園にある「マイセンの森」で更なる友好発展を願い記念植樹がおこなわれた。
有田町長とマイセン市長は手紙でメッセージを交換し、5月の有田陶器市を皮切りに、有田町、マイセン市双方で有田マイセン姉妹都市提携20周年記念事業を展開していくことを確認した。
そこで有田町では、「有田とマイセンの風に舞う」事業実行委員会を発足し、記念事業への準備を進めていくこととなった。
有田町での記念事業
1999年5月2日から9日まで、マイセン市から総勢37名が訪れ、有田陶器市期間中(4月29日〜5月5日)、マイセン製陶所の職人による絵付け技法の披露や、陶磁器、錫製品、マイセンビール、蜂蜜などの販売や、踊るポーセリンの公演、音楽演奏など多彩なイベントを開催し、会場となった役場前広場は華やかなステージと特産品販売で大いに盛り上がり、有田陶器市に彩りを添えた。
また総勢300人が参加した5月7日の「市民交流の夕べ」では、マイセン市の風景パネル展示や、歌の大合唱、そして有田町民とマイセン市民が一つの輪になり皿踊り(有田の伝統芸能)を踊るなど市民交流を深めた。
マイセン市での記念事業
有田町での記念事業に続き、今度は9月21日から29日まで有田町長を団長とする訪問団47名がマイセン市を訪れ、同地最大のイベント「ワイン祭り」(9月24日〜26日)に参加した。
5月に有田町を訪れたマイセン市民とも再会し、友情の輪が大きく広がった。記念事業では、マイセン市役所前広場のギャラリーに日本文化を紹介する「有田店」を開き、お茶会や生け花、書道、折り紙などの実演のほか、陶磁器(そば猪口)の展示販売や書と日本画教室の開催、またアルブレヒト城美術館では「有田とマイセンの現代磁器展」を開くなど、やきものを通しての交流も深めた。また、街頭の屋台コーナーには「有田屋台」を設け、日本酒のふるまいやたこ焼きの実演販売をおこなったが、あっと言う間に売り切れてしまい、追加の材料を探して市内を走り回るほど大盛況であった。
特に記念事業の大きな目的であったのは、有田町民30名とマイセン市民28名による混成「皿踊り隊」のパレードであった。揃いの法被や着物姿で5万人の観衆が埋め尽くす沿道約2キロを歩き、観衆からは大きな拍手を受けていた。
このほか、マイセン市の振興市街地の通りを友好のシンボルとして「有田通り」と命名され、桜の苗木を植樹するなど友好(友情)を深めた。
このようにやきものが結んだ縁をきっかけに、お互いの文化を橋渡しとして、交流はより深いものになっている。