特殊詐欺、サイバー犯罪の被害が甚大です!
警察庁が公表した2023年の犯罪情勢によると、刑法犯 の認知件数は、前年比17%増の70万3,351件。なかでも、特殊詐欺の認知件数は約2万件、被害額は約452.6憶円と2年連続で増加し、SNSなどを通じてつながる犯罪グループが新たな脅威になっている実態があります。
あやしい情報にまどわされたり、ネット被害に遭ったりせず、インターネット・SNSを安心・安全に使いこなすために、一人ひとりが家庭や職場などで心がけたい「サイバーセキュリティ」のポイントと最新情報をご紹介します。

「闇バイト」募集から実行までの手口
犯罪行為の実行要員を募る「闇バイト」。収入を得るつもりが、犯罪に手を染めてしまう結果とならないよう、注意したいポイントを紹介します。
簡単で高収入!そんな仕事はありません
甘い言葉の裏には何かがあると考えましょう。また、やさしい文章で応募を誘いながら、仕事内容はわかりづらくしてあるのもポイントです。投稿者(リクルーター)と直接コンタクトを取って詳細を聞く流れに誘導されます。
あやしい求人には興味本位で応募しない
自分から応募しなくても、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを経由してメッセージが送られてくることがありますが、興味本位にアクセスするだけでもリスクが高まります。連絡をとってしまうと、その後は匿名性が高いメッセージアプリに誘導されてやりとりが始まり、応募のためとして個人情報を要求されます。
学生証や身分証、顔写真を要求されたらやりとりは終了する
面接もなく、早い段階で免許証や学生証等、顔写真のデータを送るよう指示されたら、まず詐欺を疑いましょう。うっかり問い合わせてしまっても、ここで気づけばまだ引き返せます。
詐欺や犯罪へ加担するように強要されたらすぐ相談を
応募したもののやめたくなったとしても、逃げられない状況に追い込むのが犯罪者の手口です。「家に押しかける」「親族に危害を加える」などと脅されたり、実際に個人情報をインターネット上にアップされてしまう事例もあります。困った状況になったら、周囲の大人や警察、または相談機関などに迷わず助けを求めましょう。
犯罪者集団にとって闇バイトの応募者は「使い捨ての駒」
闇バイトの代表的な役割として、受け子(被害者から金銭やカードを受け取る)、出し子(口座から現金を引き出す)、かけ子(被害者に電話をかけて被害者をだます)などがあります。「指示に従っているだけ」と犯罪に加担しているという意識が薄れたり、「逮捕されるまでやめられない」などの悪循環に陥ってしまいます。
特殊詐欺は詐欺の中でも特に悪質性が高い犯罪のため、たとえ一回「受け子」をしただけでも共犯者として詐欺罪・窃盗罪の容疑で逮捕・起訴され、初犯でも実刑判決は免れません。
- 詐欺罪 10年以下の懲役
- 窃盗罪 10年以下の懲役または50万円以下の罰金
- 強盗罪 5年以上の懲役
さらに、被害者への損害賠償が求められます。
相談先はこちら
〇ヤングテレホン(0120-29-7867)
〇政府広報オンライン 匿名通報ダイヤル(0120-924-839)
〇インターネット・ホットラインセンター
(外部リンク)
〇警察相談専用電話(#9110)
「ランサムウェア」誰もが攻撃の対象に
データや機器を人質に身代金を要求する「ランサムウェア」の被害が深刻です。企業や組織だけでなく、個人一人ひとりが最新の動向を知り、対策を意識することが大切です。
特定の企業・団体等の規模を問わず被害が発生
攻撃者は、顧客や経理情報、商品のデータなどを暗号化して使用できなくしたのち、元に戻すことと引き換えに身代金を要求してきます。さらに近年は、データの暗号化に対する身代金に加えて、「金銭を支払わなければデータを公開する」などと要求する「二重恐喝」の被害やデータの暗号化を省略し、窃取した情報の公開への対価を要求する「ノーウェアランサム」が増えています。
慌てずまずは感染した機器をネットワークから遮断
他のコンピューターへの被害を防ぐために、ランサムウェアの感染を確認したら、ただちにLANケーブルを抜くなど、コンピューターを社内ネットワークやインターネットから切断してください。
身代金は支払わず警察や専門機関へ相談
身代金の支払いはビットコインなどの暗号資産で要求されることが多く、たとえ支払ったとしてもデータが復旧できるとは限らず、さらなる脅迫につながる恐れもあります。ランサムウェアの被害に遭った場合は、保存した通信ログ等を持参して、最寄りの警察署またはサイバー犯罪相談窓口に相談・通報してください。
初動対応が大切。種別特定、侵入原因を調査
一般的な復旧までの流れは、ランサムウェアの種別や侵入経路を特定したら、セキュリティソフトやウイルス駆除ツールで除去、データ復元となります。ランサムウェアの特定とデータの復元は、ウェブサイト「No More Ransom」(下記の相談先を参照)を利用することで可能な場合があります。
バックアップは複数の媒体に
感染前のデータのバックアップがあれば、暗号化されたデータを復旧できます。外付けデバイスやクラウドストレージ上など複数の媒体に、定期的にバックアップを作成しておく対策を日頃から行いましょう。
ランサムウェアに感染すると、端末やデータが使用できないだけでなく様々な被害が引き起こされる可能性があります。
- 基幹システムが使えなくなり、業務停止に追い込まれる
- 取引先やグループ企業にも支障をきたす
- 機密情報の抜き取り・漏洩、個人情報の流出により社会的な信用を失墜
- 調査や復旧にかかる費用、多額の賠償金が発生する
相談先はこちら
〇IPA情報セキュリティ安心相談窓口
(外部リンク)
主にウイルスや不正アクセスに関するアドバイスを提供する窓口
〇警視庁サイバー事実に関する相談窓口
(外部リンク)
都道府県警察の連絡先、警察署一覧のリンクもあります
〇No More Ransom プロジェクト
(外部リンク)
ランサムウェアに関する情報や復元ツールが入手できます
〇インターネット・ホットラインセンター
(外部リンク)
出典