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令和7年3月 施政方針

最終更新日:

 令和7年3月第12回定例会が開催されるに当たり、私の町政運営に臨む所信と主要な施策の概要を申し上げ、町議会並びに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 (はじめに)

  今年は戦後80年、昭和の元号では100年に当たります。
  また、来年 3 月 1 日には、有田町(ありたまち)と西有田町(にしありたちょう)の2町による合併から 20 年という節目を迎えます。合併やその後のまちづくりに当たり、ご尽力賜りました皆様に対し、改めて深く敬意と感謝の意を表します。
  私自身、有田町長に就任してから 7 年余りが経過し、令和 7 年度は 2 期目の最終年度となります。2 期目の町政運営につきましては、5つの有田力「活力、教育力、地域力、生活力、行政力」を伸ばしながら、様々な施策を推進してまいりました。
 日本は今、深刻な人口減少局面にあり、多くの自治体が存亡の危機に陥っている中、本町も例外ではないことは、国立社会保障・人口問題研究所が公表した日本の地域別将来推計人口からも読み取る事ができます。
  この人口減少局面を少しでも先に延ばすこと、急激な少子高齢化をできるだけゆるやかな流れにしていくことが、これからの町運営の根本となっていくと思います。
 私は、有田町をこの先の 10 年、20 年、50 年後も希望にあふれ、持続的に成長を遂げる"まち”にしていくことが責務だと考えており、新しい有田町への進化を目指して町政を進めてまいります。

 (振り返り)

  令和6年度の一番の出来事として、10月に開催された「SAGA2024」国民スポーツ大会があげられます。この大会は、“国体”から“国スポ”へ名称が変わる最初の記念すべき大会となりました。
  当町では「ウエイトリフティング」と「軟式野球」を開催いたしました。全国各地から選手・監督をはじめ、多くの大会関係者、観戦者をお迎えし、大会を通して多くの出会いと感動、思い出を残し、盛会のうちに幕を下ろすことができました。今後も大会開催を通じて得られた貴重な経験を活かし、より一層魅力ある町づくりに繋げていきたいと考えています。
 また、昨年はドイツ・マイセン市との姉妹都市提携45周年を記念しまして、9月と11月の相互訪問交流をはじめ、町内の有田小学校とマイセン市にあります「アリタ小学校マイセン」との姉妹校提携の調印を行いました。児童同士のオンライン交流を通して両校の連携をさらに深め、子どもたちのグローバル意識の向上を図ることが出来ました。この成果を踏まえ、今後さらに異文化コミュニケーション能力の育成に繋げていきたいと考えています。
  年末には、アリタセラを会場として「アリタ・マシュマロ・クリスマス」を開催し、県内はもとより県外からも多くの方にご来場いただき、昨年度以上に盛り上がりました。会場ではファミリー層や若い世代の方が多く見受けられ、焼き物文化、そして有田町、アリタセラの認知度向上と有田焼ファンの更なる獲得に繋がったものと感じています。
 企業誘致の分野においては、5月に事務系企業 1 社、10月に製造系企業 1 社と進出協定を締結しました。また、3月にも製造系企業 1 社と進出協定を締結する予定です。また、環境の分野では、令和5年度より家庭や事業所から生じる廃棄物の再利用、再資源化、CO2排出量の削減に努める必要性から、長寿命化の整備を進めていたリサイクルプラザ施設の基幹的改良工事が完了しました。
 防災面では令和5年度から2か年かけて実施していた防災行政無線拡声子局の更新工事が完了したほか、火災時の延焼防止を図る「延焼防止水幕防御システム」を整備し、非常備の消防力を強化しました。
  このように、各種事業に取り組み、着実にまちづくりを進めていますが、少子高齢化の進行や物価高による経済への影響、就労形態の変化による働き手の確保、急速に進むデジタル化への対応、価値観の多様化など、様々な要因が重なり合い、行政にはより高いレベルの施策と事業展開が求められています。 有田町総合計画の将来像である「ひとがつながり ひとがつどう 世界に誇れるまち有田」の実現に向けて、新たな価値観や社会の変化などを柔軟に町政に取り入れながら、本町に関わるすべての方々との繋がりを大切にし、一人ひとりが幸せを感じ、住み続けたいと思えるまちとなるように施策を進めていく必要があります。

 (令和7年度施策・事業について)

 それでは、令和7年度に取り組んでまいります、主要な施策・事業について説明いたします。
 まず、予算の概要ですが、令和7年度一般会計当初予算は、対前年度比 2.5%増の 133 億 9,000 万円となりました。当初予算の額としては過去最大規模です。
 増額となった主な要因は、人件費や物価の高騰に伴う各種委託料、負担金の増加をはじめ、少子高齢化の進行に伴う扶助費や子育て支援経費の増加、また、学校トイレの洋式化や庁舎、学校、体育館等照明設備のLED化、竜門キャンプ場の改修、ガバメントクラウド上の標準仕様に準拠した戸籍や住基・税システムへの移行等の実施によるものです。
  主な施策、事業については、「第2次有田町総合計画」後期基本計画の基本目標に沿って、説明いたします。

  はじめに、基本目標1「思いやりでつながる心豊かなまち」について申し上げます。
  社会全体でデジタル化の流れが加速する中、デジタル技術の活用によって一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、誰もが便利に暮らせる社会の実現に向け、住民基本台帳や税務などの基幹業務システムの標準化・共通化への対応を図ると共に、Web申請フォームを活用したインターネットからの各種申請手続きのオンライン化を進め、アナログを前提としてきた行政の仕組みを見直してまいります。
  行政情報については、広報ありたやホームページのほか、SNS、動画配信など様々な情報媒体を活用して分かりやすく情報提供を行い、町民の皆様と情報の共有化に努めながら、開かれた町政を推進してまいります。
 また、タウンプロモーションの推進や二地域居住といった新たな視点により関係人口を積極的に増やす取組も併せて行ってまいります。
 ふるさと納税の推進につきましては、令和6年度の寄附額が13億円を超えたところで大変感謝しているところであります。ふるさと納税は、財源確保の視点から重要な事業であり、町の産業振興面にも貢献する制度であります。令和 6 年度は企業版ふるさと納税の寄附を活用し、ミューラルアート事業の実施につなげることができました。新年度におきましても、さらなる寄付獲得に向けた取組を推進していきます。
 選挙関係では、今年夏の参議院議員選挙、来年 4 月の町長・町議会議員選挙の執行に向けて、選挙事務の管理執行を正確に行い、町民が投票しやすい環境づくりと選挙啓発を推進してまいります。

 次に、基本目標2「世代を超え楽しく安心して暮らしやすいまち」について申し上げます。
  まず、少子化対策・子育て支援施策については、目まぐるしく変化する社会情勢の中、子育てをめぐる地域や家庭の状況も刻々と変化し、子どもや子育て家庭を取り巻く課題は、複雑化、かつ多様化しています。
  国においては、少子化・子育て支援施策を重点的に取り組むため、「こどもまんなか社会」を主軸とした様々な施策が実施されています。その中でも、児童手当の拡充や、乳児等通園支援事業、また、子どもの居場所づくりなどの新たな取り組みにより、子育て世帯の一人ひとりに支援が届くよう力を入れられています。
  有田町においても、子どもの健やかな成長と、子育てを社会全体で支援する環境整備をより一層推進することを目的に、令和5年度に「子育て支援アンケート」を実施、その結果を踏まえて、令和6年度に「第3期子ども・子育て支援事業計画」を策定し、今後5年間に取り組むべき子育て支援全般の施策目標を立てたところです。
  少子化対策においては、国の子育て世帯の経済的支援として、児童手当の所得制限の撤廃と支給対象を高校生まで拡大、更に第3子以降の手当額を3万円に拡充されています。また、有田町独自施策としての「有田っ子出産・子育て応援ニコッと給付金」事業において、出産祝金と入学準備金の支給を継続して実施していきます。更に、高校生以下の児童を対象に、病床数 200 床以上の医療機関を紹介状無しに直接受診した際に発生する「選定療養費」に対し助成を行っていますが、事業の対象となる医療機関を伊万里・有田共立病院以外にも拡大するなど、保護者の経済的支援を充実してまいります。
 次に、子育て支援においては、未就園児の定期的な預かりを行う「乳児等通園支援事業」を町内全園に拡大して取り組むことにより、子育て中の保護者支援と乳幼児期の児童の発達支援を進めてまいります。また、保育所等物価高騰支援事業においては、給食材料費の補助を継続し、安心・安全な給食の提供を継続してまいります。更に、児童の発達支援においては、児童・保護者に寄り添った支援ができるよう、様々な相談場所やサービスの提供に努めてまいります。
  その他、「こども食堂」や「こども宅食」、「子どもの居場所づくり」事業等を関係団体の皆様のご協力を得て実施するとともに、安心して子育てができるまちづくりを目指し、保健、医療、福祉、教育などの分野と連携し、妊娠期から子育て期までの切れ目のない伴走型支援を推進してまいります。
 次に、安心して生き生きと暮らせる支援及び医療環境の充実について申し上げます。
 まず、福祉全般に関する事業として、重層的支援体制整備事業に取り組むための移行準備を行います。この事業は、介護、障害、子ども、生活困窮の各分野において実施している相談・支援などの既存の取り組みを活かしつつ、地域住民や各世帯の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を整備するものです。
  障害者福祉につきましては、令和6年3月に策定した有田町障害者プラン及び障害福祉計画・障害児福祉計画に基づき、障害者福祉の充実に向け、障害のある方が地域で安心して生活できるよう、様々な施策を行ってまいります。
  介護保険事業につきましては、65歳以上の第1号被保険者が増加することに伴い、給付サービスの増加が見込まれる中、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で安心して生活できるよう地域包括ケアシステムの更なる推進を図っていきます。また、コロナ禍で休止していた転倒骨折予防の水中ヘルス事業を再開するなど、要介護状態に陥ることなく、健康でいきいきとした生活が送れるよう様々な介護予防事業に取り組んでまいります。
  感染症対策においては、従来の事業に加えて、新たに65歳以上の5歳刻みの方を対象に、帯状疱疹ワクチンの定期接種を開始します。ワクチンには、1回接種の生ワクチンと2回接種の組換えたんぱくワクチンの2種類がありますので、対象者が選択できる体制での接種を推進していきます。また、母子健康診査事業では、安心して妊娠・出産ができる環境づくりとして、妊娠期から出産期までの周産期医療体制の不足を補うために、新たに遠方分娩施設までの交通費の補助を開始します。
  国民健康保険税は、令和2年度から6年度まで保険税率を改正せず据え置きとしており、県内の他市町と比較しても低い税率となっていますが、県内の保険税率が統一される令和9年度には、税率が上昇することが見込まれています。このことを踏まえ、被保険者へ急激な負担増を強いるのを避けるため、基金を活用しながら緩やかに税率を上昇させていくべきと判断し、医療分のみ現行税率を 1.1 倍した税率に改正します。

 次に、基本目標3「安全・安心で、自然と共存できるクリーンなまち」について申し上げます。
  循環型社会の推進については、新たに剪定枝・草類の破砕処理施設を稼働させ、剪定枝や草類を破砕粉砕し、おがくずとして再資源化することで、焼却量を減らし CO2排出量を削減します。また、おがくずを畜産農家等に販売するなど、有効活用にも努めてまいります。
 水道事業においては、水道管布設替計画に基づいた老朽管布設替え工事に加え、漏水が多発している箇所の老朽管の布設替えを行います。公共下水道事業においては、老朽化に伴う水質浄化センターの電気設備の更新工事や災害時に対応できる自家発電施設等の整備を実施します。
  農業集落排水施設事業においては、楠木原、山谷牧両地区の劣化状況などの機能診断を実施し、農業集落排水事業として最適化整備構想を策定します。
 浄化槽整備推進事業においては、豊かな水環境のため、浄化槽の新規設置目標を50基として整備を進めてまいります。
 生産人口の増加や町の活性化に繋がる移住・定住の推進については、新築住宅を新たに取得する場合に交付する定住奨励金、空き物件インフォメーションを活用した、空き家流通促進奨励金、移住支援金事業を引き続き行います。
 他にも、実際に短期間、有田町での暮らしを体験してもらい、移住に伴う様々なハードルを下げて、移住への足掛かりとする暮らし体験ツアーを実施するほか、民間が行う一定規模以上の宅地開発において、開発完了後に町に帰属する土地等の面積に応じ、補助金を交付する宅地開発事業補助金の制度を有田町全域に拡充します。
  また、婚姻率の向上や少子化対策として結婚新生活支援事業や結婚活動支援事業にも引き続き取り組んでまいります。
 住環境の整備においては、安全で快適な住まいを確保するため、有田町公営住宅等長寿命化計画に基づき、社会資本整備総合交付金事業を活用して、泉山町営住宅や定住促進住宅(サンコーポラス有田)の屋根及び外壁の改修工事に取り組みます。
 安全で快適な道路環境の整備では、国道 35 号と県道大木有田線を結ぶ町道南原・原宿線道路改良事業において、まちなかの大型車両による交通混雑の緩和や交通安全の確保を図るとともに、災害時における緊急輸送道路や代替路としての機能を確保するため、県河川有田川を横断する橋梁を早期に完了させ、国道 35 号側及び原宿交差点側の交差点改良工事に着手します。
 また、佐世保市との県境において車両通行の安全で円滑な道路機能の確保のため、町道本村・楠木原線道路改良工事の令和 7 年度中の完了を目指します。さらに、町道橋梁の老朽化が進むなか、定期的な点検診断や予防保全工事を行うことにより長寿命化を図るとともに、利便性の高い道路網の整備を目指し地域道路ネットワークの安全性・信頼性を確保していきます。
 自然災害対策については、ため池ハザードマップに掲載されている防災重点農業用ため池において、近年多発する記録的な豪雨や大雨時の災害リスクの軽減と町民への周知を図るために、地元から要望された農業用ため池への監視カメラの設置並びに、劣化診断の調査結果に基づき老朽化対策として、ため池整備に取り組んでいきます。

 次に、基本目標4「食と器で人が集まりつながるまち」について申し上げます。
 窯業従事者の高齢化や後継者・担い手不足、資材価格の高騰等の課題が山積するなか、町としましてもその課題解決に向け、引き続き関係団体や各組合等と連携し、町一体となって有田焼産業の振興に努めてまいります。また、ニューセラミック、ファインセラミック分野においても情報を収集し振興に努めてまいります。
 地域産業の振興としましては、「未来へつなぐ有田焼支援事業」で、東京・丸の内にありますABCクッキングスタジオ内で有田焼や有田の食材を使った料理教室の実施や有田町のプロモーション事業に取り組みます。若い世代の方に有田焼をもっと身近に感じてもらい、器を直接手に取る機会を創出することで、有田焼の魅力と新たなやきものファンの獲得を図ります。また、昨年度に引き続き、新商品等の開発・導入費や販路開拓のための展示会等への出展費、窯業機械・設備等の長寿命化対策費のほか、後継者育成を行う事業所支援や有田の魅力向上に繋がる新たなお土産品の開発支援、陶磁器産業発展のための研究・調査費の支援にも取り組んでまいります。
  令和5年の初回開催以降3回目となりますアリタセラでの「HIZEN やきもの文化魅力発信事業(クリスマスイベント)」を本年も継続して開催することにより、県内外からの更なる誘客を図り、有田焼及び有田町の魅力向上と賑わい創出に取り組んでまいります。
 中小企業者への経営支援としましては、有田商工会議所や金融機関等との連携を強化するとともに、これまでと同様に新規貸付実行分を対象とした利子補給を引き続き行い、中小企業者等の経営の安定と活性化を図ります。
 新産業の創出としましては、「地域商業活性化支援事業」で、町内の地域商業の活性化及び商店街空き店舗対策の一つとして、佐賀県の地域商業活性化支援事業補助金を活用して、これから起業する事業者、新規出店者の支援に取り組んでまいります。
 地域特性を活かした観光の振興としましては、一般社団法人九州観光機構のマーケティング強化の戦略エリアに選定された有田町、波佐見町、三川内町の3地域が連携を深め、やきものの産地としての魅力創出発信事業や富裕層向けツアーの造成など自治体の枠を超えた観光地域づくりプロジェクトに取り組んでまいります。インバウンドにつきましても現状を把握し、今後を見据え戦略的に取り組んでまいります。
 また、人気ゲーム「サガ」シリーズを展開する(株)スクウェア・エニックスと連携した、佐賀県関係人口創出チャレンジ事業の「ロマンシング佐賀」に有田町が新規エリアとして加わったことから、それを活用して有田町の魅力を発信し、地域外の関心を有田町に集めることで、新たな人の流れである関係人口の創出にも取り組んでまいります。
 小路庵事業におきましては、令和7年度から3年間、新たな指定管理者により、カフェの運営やレストランイベント、宿泊の試行的取組みなどの観光振興を図り、内山地区の更なる活性化に努めてまいります。
 地域経済の活性化を図る企業誘致対策につきましては、小規模な企業誘致案件に柔軟に対応するため、既存の工業団地周辺で新たな工業団地整備の可能性を探る産業団地適地調査を行うことにしております。
 また、少子高齢化や人材のミスマッチ、若者の価値観の変化により誘致企業をはじめ町内企業でも人材不足が問題化しており、その対策として、学生や求職者に町内企業の存在を知ってもらい採用につなげる事を目的に合同企業説明会を開催していきます。
 南部工業団地につきましては、世界情勢が変化する中において多方面からの企業誘致や用地の活用について、引き続き県と連携しながら取り組んでいきます。
  内山地区の活性化の実現に向けては、令和7年1月、内山地区の賑わいの創出と活性化を図る町の取組「有田町歴まち再生ファンド事業」が、一般財団法人民間都市開発推進機構の事業選定を受けることができました。このファンド事業は、宿泊施設や交流施設などの整備に対し、町と民間都市開発推進機構が共同で支援し、民間主体のまちづくりを推進していくものです。現在、事業実施に向けた準備を行っている段階ですが、この「有田歴まち再生ファンド事業」の取組が起爆剤となり、継続的な賑わいが出てくるよう、しっかり取り組んでまいります。
 また、内山グランドデザインに基づき整備を進めている佐賀銀行有田支店跡地の整備につきましては、公民連携を視野に入れて施設の建設と運営を一体的に考え、継続的に地域の賑わいの場として活用できるように進めてまいります。
  次に、「魅力あふれる農林業の振興」について申し上げます。
  農業振興につきましては、将来の農地・営農の在り方を集落単位で検討し、策定する地域計画をもとに農業の課題解決に向けた施策に取り組んでいきます。
 中山間地域の後継者不足や農地の維持につきましては、中山間地域等直接支払い制度や町単独事業である活力ある結の里づくり事業等を通じて農村社会の維持発展を図る支援を行ってまいります。
 林業振興につきましては、森林環境譲与税を活用し、今年度は上本地区の森林所有者へのアンケートに基づき、13ヘクタールの測量及び間伐を実施します。
 また、竜門ダム周辺の整備につきましては、町内唯一のキャンプ場である竜門キャンプ場のリニューアルに取り組みます。具体的には老朽化した山の家を改築し、黒髪山登山客やキャンプ場利用者への情報提供ステーションとして整備を行います。さらにオートキャンプサイトの設置、既存のキャンプ場への通路を改修するなど、より滞在しやすい施設整備を行ってまいります。

 次に、基本目標5「みんなで共に学び共に楽しみ紡ぎ合うまち」について申し上げます。
 まず、学力向上対策については、児童生徒が主体的に学ぶための指導・支援体制の充実や学習環境の整備により、確かな学力の定着・向上を図ってまいります。また、ICTを活用した学習活動の推進やその環境整備の充実・更新を行うとともに、グローバル社会に対応できる人材の育成を目指して英語力の向上に努めてまいります。
  次に、心と命の教育の推進、不登校児童・生徒の対策についてです。
 心豊かで健やかな子どもの育成については、道徳教育や体験活動を通した「心の教育」を推進するとともに、子どもの創造性や感性を育むためにも、社会教育及び学校教育において、STEAM教育や本物に触れる体験活動などの取組を推進してまいります。また、いじめや不登校などの課題についても、引き続き対応してまいります。中学校の部活動の在り方については、国が進める「中学校部活動の土・日曜日の地域移行方針」を踏まえて、地域の実情を鑑みながら運営体制や活動方法などを引き続き検討してまいります。
 次に、教育環境の整備についてです。 これからの学校の在り方については、児童生徒の減少や学校施設の老朽化が進む中、子どもたちを中心に据えた学校づくりを目指して、学校再編を進めてまいります。まず、町内2つの中学校を統合し、生徒にとってより良い教育環境を整えるべく、新校舎建設を進めていきます。
 また、学校施設においては、曲川小学校・有田中学校・西有田中学校のトイレの洋式化や曲川小学校・大山小学校の照明のLED化を進めていくとともに、建設から20年を経過する有田中部小学校の大規模修繕にも着手する予定です。
 次に、文化・スポーツの推進について申し上げます。
 歴史と文化の森公園施設は、築29年が経過し、設備の老朽化が進んでいるため、計画的な改修を行い、長寿命化を図っていきます。この他にも、教育、体育、文化の各種施設整備等も計画性を持って取り組んでまいります。
 文化財の保護・活用につきましては、内山地区が平成3年4月30日に「有田内山伝統的建造物群保存地区」として選定されて以来、現在のところ164軒の伝統的建造物に指定された物件があります。これまで延べ132軒の保存修理を行っておりますが、新年度においては、6つの指定物件の保存修理を行うこととしております。今後の伝統的建造物の活用については、古民家再生事業などとも連携しながら取り組んでまいります。
 町指定文化財の猪子谷単室石炭窯煙突については、老朽化による倒壊を防ぐための補強工事を進めるとともに、小路庵窯跡については、窯本体の発掘調査が終了しましたので、引き続き、保存、公開に向けた作業を進めていきます。

 (結び)

  以上、令和7年度の主要な施策について申し述べてまいりました。
  本町には、大小さまざまな課題が山積しておりますが、「ひとがつながり ひとがつどう 世界に誇れるまち 有田」を実現し、将来にわたって持続可能な有田町を創るため、決して課題を先送りすることなく、一人ひとりが幸せを感じ、住み続けたいと思えるまちとなるよう、5つの有田力「活力・教育力・地域力・生活力・行政力」を伸ばしながら、変革と挑戦の精神でまちづくりに取り組んでまいります。
 令和7年度も町民の皆様とともに、有田町と新しい未来を共創いただける皆様と連携しながら実験的なことにも取り組み世界に 誇れる新しい有田町を作ってまいります。
 結びに改めまして、議員各位をはじめ、町民の皆様の町行政全般に対する一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。本定例会に提案いたしました各会計予算案をはじめ、すべての議案について、よろしくご審議をいただきますようお願い申し上げまして、私の施政方針といたします。   

令和7年3月4日

有田町長  松尾 佳昭

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