帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)と同じウイルスによっておこる皮膚疾患です。子どもの頃にかかった水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内(神経節)に潜伏し、加齢や疲労、ストレスなどで免疫が低下した時に発症します。50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症するといわれています。
症状
水ぶくれを伴う発疹が身体の左右どちらか片側の神経に沿って帯状に出現します。発疹が出現する2~3日前から、身体の左右どちらかにかゆみや痛みを感じるようになり、その後痛みと水ぶくれを伴う赤い発疹が現れ、治るのに3週間程度かかります。
合併症
神経の損傷がひどい場合には、発疹が消失した後も数か月から数年にわたり、焼けるような痛みやズキズキする痛みが残り(帯状疱疹後神経痛)、日常生活に支障が出る場合があります。その他、頭頚部の帯状疱疹の場合には、結膜炎や角膜炎などの眼の合併症や、片側の顔面神経麻痺、難聴などの重い合併症を起こすこともあります。
治療と予防
治療の中心はウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」です。発疹が現れてから3日以内、遅くとも5日以内の早期に投与することで、重症化や帯状疱疹後神経痛を予防できる確率が高くなりますので、身体の左右どちらかにかゆみや痛みを感じたり、帯状の赤い発疹が現れたら、早めに皮膚科などを受診して治療を行いましょう。
予防としては、日頃からバランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠を心がけ、免疫が低下しないようにすることが大切です。また、帯状疱疹ワクチンの予防接種(有料)もあります。