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第118回 美術工芸品・オブジェ部門 受賞作品

最終更新日:
美術工芸品・オブジェ部門【佐賀県立九州陶磁文化館】にて4/29~5/8まで展示を行いました。

文部科学大臣賞

白釉稜線浅鉢(ハクユウリョウセンアサバチ)【岡田 優】京都府

温かみと柔らかさのある陶器の白釉の作品に、ロクロ成形してすぐの柔らかい時に裏から指で押し出して稜線をつけています。
柔らかい為形が動き立体感のある稜線で、山から吹き下ろす風が工房付近で舞う様子を表現しました。

2位・佐賀県知事賞

炭化線象嵌鎬陶筥「さざ波」(タンカ センゾウガン シノギ トウハコ 「サザナミ」)【福吉 浩一】熊本県

直方体の形態をした陶筥で、上面、側面、内側底面に鎬削りの後、白から濃い青色の色土を線象嵌した作品です。
表現したかったのは、海面や湖面の波の動きです。
線の象嵌に鎬を加える事で見る角度で複雑な波の表情が表せないかと考え、この作品の形態と技法にしました。

3位・有田町長賞

釉象嵌鉢(ユウゾウガンハチ)【中尾 純】佐賀県

マット調の釉薬を鉢全体に施し、その後に光沢釉を象嵌する部分を削り取って釉薬を入れこんでいきます。

佐賀県陶芸協会賞

茶に想う(チャニオモウ)【宮島 正志】東京都

一握りの土が自分の想いの中で形に現れる。
紅黒彩(水指・茶盌):紅白彩(茶器)の縞紋を纏った器は現代の「茶の宴」の演出をできたらと想う。

陶都有田国際交流協会賞

“Subtleties”(サトルティーズ)【Johanna De Maine】佐賀県

Subtlety: the quality or state of being subtle. 
This work explores the cultural differences between Japan and the West through the iconography and techniques employed.
微妙さ:微妙であることの質または状態。
この作品は、採用された図像と技法を通して、日本と西洋の文化の違いを探求しています。
(日本語訳:Vincent Paul Heuser 有田町国際交流員)

朝日新聞社賞

WAVE Ⅱ(ウェーブ ニ)【丸田 巧】福岡県

アメリカ、アンテロープ・キャニオンの動画を見て地層の浸食による自然できれいな曲線を陶器で表現できないかと思いろくろ成形にこだわり制作してみました。

熊本放送賞

彩色象嵌花器(サイショクゾウガンカキ)【中尾 恭純】佐賀県

生地がやわらかいうちに切り込み文様を入れ、デザインにより際止めを施し顔料を埋め込んだ磁器象嵌の作品です。
グラデーションの彩色で、作品にやわらかい雰囲気を出しました。

佐賀県商工会議所連合会賞

萌芽の記憶(ホウガノキオク)【浦郷 正一郎】佐賀県

日頃、オブジェを中心に制作しています。
この作品は、硬い塊をもすり抜けて成長する植物の芽をイメージしています。

佐賀新聞社賞

愛欲(アイヨク)【谷口 瑛梨】佐賀県

紙紐を結んで、泥漿に浸して、積み重ねて。
燻炭を敷き詰めて還元で焼きました。
真っ黒の中にある薄暗い桃色の可愛らしさを、見て。

サガテレビ賞

連作 涅槃(レンサク ネハン)【嶋田 敏生】佐賀県

約十年以上かけて作品創りをしましたが、金付け作業をへて焼き上がったのが1点のみでした。

陶業時報社賞

赤彩線文花器(セキサイセンモンカキ)【國定 克彦】京都府

「夏の夕暮れの竹林」をイメージして製作しました。
素地は信楽土ベースのブレンド土。
成形方法は紐づくりで線彫は自家製カンナで一本ずつ線彫り。
赤の色は泥彩で数回に分けて温度を変えて焼成。

西日本新聞社賞

白妙彩磁壷(シロタエサイジツボ)【庄村 久喜】佐賀県

美しく、心地よい曲線を1本、1本、束ねて、立体化したようなイメージ。
私が想う「美しい白磁」を追求した作品。

日本経済新聞社賞

紅白鮮斜陽 -2203-(コウハクセン シャヨウ フタフタマルサン)【増原 嘉央理】北海道

「紅白鮮」は三部作構想で「天」「地」「その間にあるもの」を表現しており、本作はその内の一つである「天」を表している。

読売新聞社賞

彩色化粧波線刻文花器(サイショクケショウナミセンコクモンカキ)【上田 敦之】山口県

緑彩化粧の地色に対して、赤の線描で波文様を組み合せて、制作しました。

第118回 美術工芸品・オブジェ部門 入選・入賞者、招待作品一覧

 美術工芸品・オブジェ部門(こちらよりダウンロードできます。)(PDF:196.3キロバイト) 別ウィンドウで開きます

第118回 美術工芸品・オブジェ部門 審査評

2022.4.7

 

第118回 有田国際陶磁展

美術工芸品・オブジェ部門 審査評

 

審査員長 徳留大輔

 

2022年、わたしたちの日常を揺るがす紛争や地震、そしてコロナ禍といった、心を傷める出来事、そして閉塞感が漂っている今日。少しでも日常をとりもどし、また心や生活を豊かにしてくれる芸術活動の一翼をになう、第118回有田国際陶磁展が開催されますことに、感謝とお慶びを申し上げます。

 

今回の出品点数は前回より20点減少こそしたものの、様々な創造・視点による作品80点がエントリーされました。審査員は石橋裕史さん、桑原紀子さんと徳留の3名。一次審査で入選作品67点を、二次審査で入賞候補作品17点を選定し、合議の上で14点の入賞作品を決定しました。

 

第一席の文部科学大臣賞を受賞された岡田優さんの《白釉稜線浅鉢》。口径50cmをこえる大振りの鉢で、失透性のあるクリーム色の釉薬が全体に柔らかい表情を生み出しています。一方で、器の外側から内側へつづく稜線、またその間をつなぐエッジの効いた口づくりが、作品全体にほどよい緊張感をもたらしています。この作品は横、上、斜めと色々な角度から見ていただき、表情の変化も楽しんでいただけることも魅力です。

 

第二席の佐賀県知事賞を受賞された福吉浩一さんの《炭化線象嵌鎬陶筥「さざ波」》。こちらも長さ50cm近い非常におおきな作品。黒色の背景に象嵌により白から青へと徐々に色味を変化させながら、しかも微妙に線の太さをかえることで表された線文が、鎬削りにより生み出された複雑な形と非常によく調和する効果を生み出しています。蓋をあけると、内側にもリズミカルに配された線象嵌の美しさに思わず「ワァー」と、審査員一同驚きの声をあげてしまった作品です。

また有田町長賞を受賞された中尾純さんの《釉象嵌鉢》は、器の形そのものが緩やかに波打つように仕上げられたフォルムと釉象嵌による文様が連動し、また白磁の美しさとも相まって端正かつ気品溢れる作品です。佐賀県陶芸協会賞の宮島正志さんの《茶に想う》は、確かな技術力をもとに生み出されたフォルムに、愛らしい色彩とデザインが現代的かつかた肩の力をぬいて茶の湯を楽しめそうな雰囲気にさせてくれる作品です。

 

今回惜しくも入選されなかった作品も含め、作り手の思いやその表現の形態、方向性は無限で非常に多様であり、それが見るひと、使うがわに感動を与えてくれる、またそれが陶芸の魅力であることを再認識させてくれる機会となりました。ぜひ、一人でも多くの方に本展覧会に足を運んでいただき、作品を見て楽しんでいただきたいと思います。

第118回 美術工芸品・オブジェ部門 審査員

 

 
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