白磁花碗(副島 健太郎)
エッグシェル・シリーズ シャンパングラス(山本 博文)
白磁鎬文 ビアカップ(寺内 信二)
朝日新聞社賞黒皿 (ぽち菊)(平山 清美) |
熊本放送賞雫ビアグラス(西 隆行) |
佐賀県商工会議所連合会賞青白磁鉢(中尾 純) |
佐賀新聞社賞白磁黄緑釉線刻文皿(井上 康徳) |
サガテレビ賞サギ文皿(樋口 源一) |
陶業時報社賞市松シリーズより(定山窯 後藤 真由美) |
西日本新聞社賞Randez-Vous(築地 慶太) |
日刊工業新聞社賞青白磁三面鉢(野中 克彦) |
日本経済新聞社賞クラムボン(原田 吉泰) |
読売新聞社賞tri(城 雅典) |
有田焼卸団地協同組合賞Cafe au lait bol(岩永 和久) |
佐賀県陶磁器卸商業協同組合賞灰釉鎬リム付皿(阿南 維也) |
佐賀県陶磁器工業協同組合賞赤濃み花六角高台皿(原田 陽介) |
肥前陶磁器商工協同組合賞すくい易いグラタン碗((有)しん窯 梶原 大敬) |
技能賞青磁千段ボール(大串 匡秀) |
技能賞Eustma2(中原 真希) |
九州山口陶磁展の審査に当たるのは、今年で2回目となる。第2部 産業陶磁器部門で、出品点数が前回に比べ減少しているのは残念だが、プロダクトとしての陶磁器の在り方、特に生活者の嗜好や市場の変化を注視した提案が多く見られたことは、陶磁器産業の将来にとって明るい兆しと言えるだろう。奇をてらったデザインや表面的な新規性を追求するのではなく、陶磁器の原点を見つめ、伝統的な技法に則った新たな挑戦を試みることで、ユーザーに新たな体験を提供しようという作り手の真摯な姿勢を感じ取れる作品が見られ、これらが上位入賞を果たした点にも目を向けたい。
経済産業大臣賞を獲得した「白磁花碗」は、白磁の持つ美しさの2面性を同居させたデザインと、それを具現化する確かな技法によって成り立っている。白磁花碗は、蓋付きのシンプルな碗である。本体の大部分は、光沢のあるつややかな白磁仕上げだが、蓋のつまみと本体の底部の高台は菊の花を模した形状で、マットに仕上げられている。マットなつまみと高台はそれ自体が愛らしいだけでなく、本体のつややかさを引き立てる役割を十分に果たしている。また、指先で触れてみると分かるのだが、つまむ際に滑ることがなく、安心して使える点もプロダクトのデザインとして優れており、用の美を感じさせる。こうしたデザインが、成形や施釉、焼成の確かな技術に支えられていることは間違いない。
有田焼と言えば、赤絵や染め付けに眼を奪われがちだが、青や赤を映えさせる白磁の確かな技術があって初めてそれらはほかに類を見ない美しさを発揮しうる。白磁花碗は、白磁が有田焼はもとより日本磁器産業の大きな資産であることを我々に改めて認識させる。同時に白磁をはじめとした陶磁器の原点や伝統技法を見つめ直し、デザインとしてうまく取り入れることで、プロダクトの価値を大きく向上させうることも証明した。
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項目 | 山口 | 福岡 | 佐賀 | 長崎 | 熊本 | 大分 | 宮崎 | 鹿児島 | 沖縄 | 全国 | 合計 |
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出品者数 | 5 | 7 | 80 | 19 | 5 | 3 | 1 | 1 | 2 | 7 | 130 |
(4) | (9) | (90) | (21) | (3) | (4) | (0) | (1) | (1) | (0) | (133) | |
出品点数 | 7 | 7 | 110 | 26 | 8 | 6 | 2 | 1 | 2 | 7 | 176 |
(6) | (10) | (126) | (29) | (5) | (6) | (0) | (1) | (1) | (0) | (184) |
( )内は前回分